今回はG Suiteで独自ドメインのメールアドレスを利用する方法について解説していきたいと思います。
独自ドメインのメールアドレス自体をGmailで利用することは普通にできます。
ですが、G Suiteで独自ドメインのメールアドレスを設定・利用することで、G Suiteでユーザーごとのメールを一括管理することができます。
企業やチームによっては、メールの管理は大きな課題であり、G Suiteの機能を使えることは大きなメリットになる場合があります。
そもそも独自ドメインのメールアドレスとは?
独自ドメインというのは、このサイト言えばURLの「jajaaan.co.jp」の部分になります。
この独自ドメインを用いて、「○○○@jajaaan.co.jp」などといったメールアドレスを作成します。これを独自ドメインのメールアドレスと言います。
独自ドメインのメールアドレスを利用するメリット
独自ドメインでメールアドレスを利用することで、会社やお店の信用度が上がります。(ちゃんとした企業・お店は独自ドメインのメールアドレスを使用していることがほとんどのため)
また、一般的な通信業者のドメインを使用していると、サイバー攻撃の標的になったり、メーラーの設定でブロックされてしまうなど、デメリットが多々あります。
ここでは独自ドメインの取得やメールアドレスの作成方法は割愛します。
G Suiteで独自ドメインのメールアドレスを利用する方法
ここからは、以下を前提に解説していきます。
- 既に独自ドメインがある
- G Suiteのアカウントがあり、支払い設定が済んでいる
- ドメインの所有権の確認が済んでいる
ドメインの所有権の確認方法については以下をご参考ください。
ユーザー・グループごとにメールアドレスを設定する
G Suiteが一般のメールサービスと大きく異なる点として、
1アカウント = 1メールアドレス
という特徴があります。
つまり、一人のユーザーにつき、所持できるメールアドレスは一つのみという点です。
一般のメールサービスやレンタルサーバーでは、メールアドレスは無制限にいくつも作成できます。それらは好きにユーザーが利用できます。
ただし、G Suiteはユーザー単位で料金が発生します。
例:
田中 = tanaka@example.com = 1アカウント = 〇〇円
佐藤 = sato@example.com = 1アカウント = 〇〇円
といった形です。
そのため、1アカウントごとに1メールアドレスを紐付ける方法だと、やり方によっては割高になってしまいます。
ですが、ユーザーに紐付かないメールアドレスもたくさんありますよね。
たとえばお問い合わせやサポート専用の
support@example.com
などといったメールアドレスです。
G Suiteで「ユーザー扱い」をするメリットがある場合は別ですが、メールにしか使わない場合、こういったアドレスを作るために一つひとつG Suiteユーザーを作成していると割高になってしまいます。
そのため、それらのメールアドレスは「エイリアス」として作成します。
エイリアスのメールアドレスの作成
Gmailのエイリアスのアドレスと同じです。
Gmailでのエイリアスの作成方法は以下をご参考ください。G SuiteのGmailも同じです。
エイリアスのメールアドレスはいくつでも持つことができます。
ただし、エイリアスのメールアドレスは個人アドレスとしては使えません。
エイリアスのメールアドレスは関連付けられているユーザーすべてが利用することができるので、事前にどのメールアドレスを誰に関連付けるかを検討しておきましょう。
G SuiteのMXレコードを設定する
すべてのアドレスの設定が完了したらドメインのDNS設定を行っていきます。
DNS設定はドメイン管理先で行います。
たとえばドメインをお名前.comで取得・管理していた場合は、お名前.comで作業を行います。
※必ず知識がある方が作業するようにしましょう。
以下のMXレコードを設定します。
ドメインホストによっては、値の末尾にピリオドをつける必要があります。
例:ASPMX.L.GOOGLE.COM.
名前・ホスト | TTL | レコードタイプ | 優先度 | 内容/値 |
---|---|---|---|---|
空白または @ | 3600 | MX | 1 | ASPMX.L.GOOGLE.COM |
空白または @ | 3600 | MX | 5 | ALT1.ASPMX.L.GOOGLE.COM |
空白または @ | 3600 | MX | 5 | ALT2.ASPMX.L.GOOGLE.COM |
空白または @ | 3600 | MX | 10 | ALT3.ASPMX.L.GOOGLE.COM |
空白または @ | 3600 | MX | 10 | ALT4.ASPMX.L.GOOGLE.COM |
参考:G Suite の MX レコードの値 – G Suite 管理者 ヘルプ
既存のメールを受信していたMXレコードがある場合は、削除、もしくは優先度をG SuiteのMXレコードより下げてください。
(優先度の数値が低いほど、優先度は高いです。)
設定を間違えるとメールが受信できず、変更してもTTLで設定した時間がすぎるまで変更が反映されません。設定が正しければ早くて数時間後には新しいG Suite側でメールを受信できるようになります。
ちなみにTTLの3600とは、3600秒、すなわち一時間になります。
コマンドでMXレコードが適用されたか確認する
わざわざ確認の必要もありませんが、DNSの変更は設定・反映に時間がかかります。
また変更・修正した場合TTLの時間がすぎるまで変更が反映されないため、ちゃんと適用されているのか確認したくなりますよね。
そういった場合はnslookupコマンドを使うことで、ドメインのMXレコードがG SuiteのMXレコードになっているか確認することができます。
過去メールの移行方法
過去メールはどのようにすればよいのでしょうか。
G Suiteにメールを移行する場合、メールはG Suiteユーザーのストレージに保存されていきます。ストレージ容量はG Suiteのプランにより異なるので、まずは現在のメールの使用容量を確認しましょう。
ストレージ容量はあとから追加購入することも可能です。
参考:ドライブ ストレージの追加オプション – G Suite 管理者 ヘルプ
移行後でもIMAPを設定することで、元のメールクライアントでメールは行えるので、無理してGmail側に過去メールを移行する必要もありません。
管理コンソールから「データの移行」を開く
G Suite側でデータを移行する方法について解説していきます。
参考:データ移行サービスを使用してメールを G Suite に移行する – G Suite 管理者 ヘルプ
※データ移行サービスで移行できる環境かどうかは、事前に確認しておいてください。
まずは管理コンソールにログインし、「データの移行」を開きます。
「データの移行を設定」を押します。
移行元の接続設定を行います。
開始を押すことでデータの移行が始まります。
上記でうまくいけば完了です。うまく行かない場合、エラー表示となりエラーコードが表示されます。
エラーコードをみることで、何が原因なのかを特定することができます。
データ移行サービスが使えない場合
上記のデータ移行サービスが使えない場合、Gmail側の設定を「IMAP」に変更します。IMAPに変更することで、元のメールクライアントでもメールを利用することができます。
後は移行したい場合、元のメールクライアントで移行作業を行えば大丈夫です。
独自ドメインをG Suiteで使用する方法まとめ
独自ドメインをG Suiteで管理することで様々なメリットがあります。
もちろんユーザー1人ひとりに料金が発生してしまうため、普通のメールサービスと比較すると割高に感じてしまうかもしれません。
ですが、G Suiteはメーラーとしての機能だけというわけでは当然ないので、様々な機能を利用することができます。
よければご参考にしてください。