Webサイトの計画立案には、まずWebサイトの構造から理解し、それに伴う数値指標を用いて計画を立てる必要があります。
ここでは自社サイトの構造と計画立案方法について見ていきたいと思います。
自社サイトとは、ホームページや、自社のオウンドメディアなどになります。
ホームページやオウンドメディアは、自社でコントロールできる重要なWebサイトであり、適切な目標設定・計画立案を行い運用することで、低コストで優れた成果を生み出すことができます。
今回はそんな自社サイトについて、サイト構造からWebサイトの計画立案方法について考えていきたいと思います。
ホームページ・オウンドメディア以外のサイトタイプの場合は、それぞれ目指す目標設定方法が異なるので、以下をご参考にしてみてください。
自社サイトの構造と指標の理解
Webサイトの目標・計画立案には、まずは自社サイトの構造を把握し、それに関する指標について理解する必要があります。
自社サイトには大きく分けて以下4つの役割のページがあります。
- ランディングページ
- 回遊ページ
- フォームページ
- コンバージョンページ
サイト訪問ユーザーは漏斗状(ファネル)に推移します。
サイトによっては必ずしも上記のような構造になるとは限りません。
ランディングページ自体にフォーム機能などのCTAが設置されている場合など、回遊性のことを考えていないWebページも存在します。
ランディングページ
ランディングページとは、その言葉の意味(ランディング:着地)から来ており、最初にユーザーが見たページのことを指します。
Webサイトではユーザーが最初に訪れるページはサイトのトップページとは限らず、むしろ下層のコンテンツページのほうが主になります。
ランディングページはリスティング広告用などに意図して作るものもあれば、コンテンツマーケティングとして、検索経由から一つひとつの記事ページがランディングページとなる場合もあります。
ランディングページの効果測定をする一つの指標で「直帰率」があります。(直帰率とは?については以下をご参考ください。)
1ページ1アクションを前提として制作されているランディングページであれば別ですが、そうではないランディングページの場合、直帰率は重要な指標の一つにもなります。
ランディングページの直帰率はWebサイトの目標・計画立案時に考えるようにしましょう。
回遊ページ
回遊ページとは、ユーザーがランディングページから移動した2ページ目以降のページのことを言います。
ランディングページと回遊ページの言葉の違いは、最初に閲覧されたページか2ページ目以降どうかの違いです。
回遊ページで直帰しなかったセッションのことを「回遊数」と言い、回遊したものの、フォームページなどに移動しなかった割合を「回遊離脱率」と言います。
ちなみに離脱率の計測は、通常ではページビュー単位で行いますが、回遊離脱率はセッション単位で測定を行います。
- 回遊離脱率の測定方法
回遊離脱率=100%ー(フォームページ到達率 ÷ 回遊数)
=100%ー(フォームページ到達数 ÷(セッション数ー直帰数))
Webサイトの目標設定・計画立案時には、最初にどれだけWebサイトに回遊性をもたせるかを考えておく必要があります。
フォームページ
フォームページは、コンバージョンに繋がるページのことを指します。
お問い合わせページやお申込みページなどになります。
フォームページ到達率した数のことを「フォーム到達数」と言い、フォームページの成果を測定する指標ではフォームページの離脱率を計測して「フォーム離脱率」を用います。
- フォーム離脱率
フォーム離脱率=フォームページでの離脱セッション ÷ フォームページ訪問のセッション
=100%ー(コンバージョン数 ÷ フォームページ到達数)
=100%ー(コンバージョン数 ÷ (セッション数ー直帰数ー回遊離脱数))
Webサイトでユーザーからお問い合わせ・注文・購入などのアクションを起こしてもらいたい場合は、このフォームページの目標設定が重要になります。
Webサイト制作時には、フォームページへの到達数はどのくらいで離脱率はどのくらいか、など事前に仮設を立てて目標・計画立案をする必要があります。
コンバージョンページ
コンバージョンページとは、コンバージョンに至ったと判断されるページのことを指します。
たとえば、「お問い合わせ完了ページ」「送信完了ページ」「購入完了ページ」など、サンクスページと呼ばれるページになります。
Webサイト制作の目標設定・計画立案方法
まずは、自社サイトをどのような構造にするか考えましょう。
目的によっては、ランディングページのみでも十分ビジネスの目標を達成することができます。理想としてはオウンドメディアや広告用のランディングページなど、用途に合わせたページをさまざま制作することが望ましいですが、そこは予算やスケジュールによるでしょう。
まずは、ビジネスで達成したい目標(KPI)とスケジュールから逆算して、作るWebサイトの目標を考えるようにします。
サイト構造を把握し、各ファネルごとに目標数値を設定し、制作・改善の計画を立案します。
ファネルごとの指標算出例
Webサイトの構造により、各ファネルごとに予想で数字を入れてみます。
上図はファネルごとの指標の例になります。このように各ファネルごとの指標を用いて、目標達成のためのポイントや目標値を定めます。
受注・成約の平均単価から、各ファネルの目標値を定めます。
ファネルごとの目標値設定例
たとえば、以下のような仮定目標条件の場合で、ファネルごとの目標値を仮に設定してみます。
月間目標売上 | 2000,000円 |
---|---|
平均客単価 | 500,000円 |
商談率 | 25% |
受注・成約率 | 50% |
コンバージョン率 | 1% |
目標売上から逆算していきます。
月間目標売上を達成するには、月4件(月間目標売上÷平均客単価=4)の受注・成約が必要となります。
そのため、受注・成約率を50%と仮定すると、商談数が8件、商談率を25%と仮定すると、サイトの目標コンバージョン数は36件になります。
商談率や受注・成約率については、コンバージョンから商談・成約までの過程に絶対の自信がある場合は、もっと数値を変えてみても良いかもしれません。ですが新規の場合は厳し目に設定するようにしましょう。
まずは、目標CVRからサイトのセッション数の目標値を算出します。
目標セッション数を考える
CVRを1%だと仮定すると、サイトの目標コンバージョン数が36件なので、目標セッション数は3,600になります。
どうやったら目標セッション数を達成できるか考える
Webサイトにユーザーが来てくれなければ、そもそも話しは先に進みません。
目標セッション数を計算し、3,600件だった場合、どういった方法だったら3,600件を達成できるのかを考えてみましょう。
方法については様々な方法があります。
自然検索で達成できるように、コンテンツを増やしたり見直したりするか、リスティング広告を行うかなど、ビジネスの予算と目標スケジュールから最適な方法を考えるようにしましょう。
目標セッション数から、ファネルごとの目標値を算出する
目標セッション数が3,600件だった場合で、各ファネルごとの目標値は以下のように仮定することができます。
直帰率 | 75% |
---|---|
回遊離脱率 | 80% |
フォーム離脱率 | 80% |
サイトの直帰率を75%だと仮定すると、回遊数が900件、回遊離脱率を80%と仮定するとフォーム到達数は180件、フォーム離脱率を80%と仮定すると、目標コンバージョン数の36件となります。
これら目標値を考えたサイト制作を行います。
直帰率は業種・業界ごとに大体の平均があります。これら平均からまず考えてみるといいでしょう。
回遊離脱率を下げるには、コンテンツを充実させたりサイトを工夫する必要があります。ここもどのようなサイトを制作するかによって考えるようにしましょう。
フォーム離脱率については、どのようなフォームにするか、EFOはしっかりと行うか?などを考えるようにしましょう。EFOをしっかりと行う場合、プロにフォームの制作を依頼するか、フォーム機能を充実させるツールなどを導入する必要があります。こちらもビジネスの予算とスケジュールから考えるようにしましょう。
Webサイトの最適な改善案の考え方
すでに運用しているWebサイトがある場合、Webサイトの最適な改善策は何か?といった点について考えてみましょう。
改善施策の考え方については以下をご参考にしてみてください。
Webサイトの構造と計画立案方法のまとめ
Webサイトには役割となるページ・構造があり、ビジネスの目標を達成するためにそれぞれに目標指数を設けて計画を立案することが大切になります。
Webサイトの構造と各指標を理解せずにWebサイト制作の計画を立てると、実際に制作が終わったあとに、「ここは最初からこうするべきだった」と最初の時点でよく考えればわかっていたようなことに後になって気付くことも少なくありません。
よければご参考にしてみてください。