キャッチコピーを作ろうと思ったとき、その表現やアイデアについて悩む人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなキャッチコピー作りについて、今すぐ使えるテクニックやアイデア出しの参考について紹介しています。
失敗するキャッチコピーの作り方
キャッチコピーを作る時には、まず失敗するキャッチコピーについて認識しておくようにしましょう。
以下のような作り方やキャッチコピーは失敗するキャッチコピーと言えます。
- ただ真似るだけ
- 事前調査を怠る
- 曖昧・抽象的な表現にしてしまう
正しいキャッチコピーの作り方については以下記事を参考にしてください。
簡単なアイデア出しならツールが便利
キャッチコピーを考える際、手っ取り早くアイデアを出したい場合はツールが便利です。
これらのツールは商品名・サービス名・キーワードなどを入れることで自動的にいくつものアイデアを出してくれます。
そのまま使えるキャッチコピーが作成されるわけではありませんが、アイデア出しに困った時などに便利です。
それでは今すぐ使えるキャッチコピーのアイデア、テクニック集について見ていきましょう。
商品・サービスによって今すぐ使えるものも多いです。
訴求する内容によってさまざまなものを組み合わせて使ってみましょう。
地域名・地域ブランドを入れる
ユーザーの居住地や、地域ブランドをキャッチコピーに使いましょう。
たとえば、
- 京都伝統の工芸技術で作る扇子
- 静岡県下田の最高に脂がのった金目鯛
- 横浜中区で一番選ばれている〇〇!
といったように、ユーザー居住地域名や、使うことでイメージアップとなる地域名を挿れてみましょう。
ランキング形式にする
ランキング根拠を記載する必要がある場合もありますが、ランキング形式のキャッチコピーはとても効果的です。
- 当店人気No.1の〇〇
- 英語が苦手だった私がクラスで1番の成績になれた理由
- ランキング上位独占!
ランキング形式のキャッチコピーを考える際、「うちにはそんな実績はないから」と思われる場合もあるでしょう。しかし、そういった場合でも自分の観点からランキングを作ってキャッチコピーにすることもできます。
たとえば、
- 業界歴30年の私が使ってよかったと思ったものTOP3
- 店長のおすすめランキング!
など独自の偏見でもいいのでランキング形式のキャッチコピーを作ることはできます。
数字を入れる
キャッチコピーに数字を入れるというのはかなり効果的な手法です。
文章というのは、数字を入れることで具体性が追加されます。
たとえば、「多数の野菜をミックスしたスープ」よりも「30種類もの野菜をミックスしたスープ」としたほうが文章に具体性があります。
具体性があることで、曖昧ではなくなり信頼性も高くなります。
「数量限定!」→「100個限定!残り28個」
「夏季限定!」→「8月31日まで限定!」
数字を入れられるものは、可能な限り数字を入れるようにしたほうがキャッチコピーとして強いものになります。
数字を入れる際も、中途半端な数字を使うのではなく、可能な限り細かな数字のほうが真実味があります。
たとえば、「満足度80%!」とするよりも、「満足度81.2%!」としたほうが、ちゃんと計測していることが伝わり、真実味が増します。
他者評価を利用する
レビューやクチコミがある場合は、それらを引用する形で使います。
第三者の評価というものはかなり強烈で、どの訴求よりも強くなります。
たとえば
- 「使ってよかった!」「感動した!」Amazonレビュー引用
- 「また来たい!」「最高すぎた」ぐるなびレビュー引用
- 〇〇がユーザーに選ばれ続けてきた理由
- なんでそんなに肌がキレイなの?って聞かれるんですよ
など、ユーザーレビュー・クチコミや、ユーザーから評価されてきた理由を使うようにします。
ギャップを演出する
ギャップを演出したキャッチコピーも面白いです。
たとえば、
「四角いスイカ」「甘い緑茶」「ヘルシーすぎる唐揚げ」「一粒一万円のイチゴ」「優しすぎる空手道場」
など、もともとのイメージからギャップを感じるキャッチコピーは意外性が強くユーザーを惹き付けます。
逆説的な表現を使う
ギャップを演出すると似たイメージですが、逆説的な表現を使うとユーザーに興味を持ってもらいやすくなります。
たとえば、
- 英単語は勉強するな
- パスワードは覚えるな
など、逆説的な表現を使うことでユーザーに「なんで?」といった興味を抱いてもらいやすくなります。
対照法・対句を用いた表現を使う
対照法・対句を用いた表現を使うことで文章のコントラストをはっきりとさせることができます。
対照法・対句とは、2つ以上のキーワードを並べて対比させることで、キーワードが強調される表現です。
使い方としては、意味がおたがい対になっているものを並べ、それら文の長さをなるべく同じにするというものです。
例:
- 軽いのに強い
- 小さなリスクと大きな成功
- 勝てば官軍、負ければ賊軍
- 薄いのに暖かい
季節感を入れる
商材次第ではありますが、季節感を入れるキャッチコピーは効果的です。
簡単に言えば、夏であれば涼しくなるようなキャッチコピー、冬であれば暖かくなるようなキャッチコピーを考えます。
たとえば、「キンキンに冷えてやがる〜!生ビール:400円」「心まで温まる、家族の絆も深まる、そんなコタツ」「脱毛は冬から始めたほうがいいってホント!?」
など、季節感を入れます。
限定性・希少性を入れる
これはとても強力なのでできれば入れるようにしましょう。
限定性・希少性を含めることで、
- 今すぐ買わないといけない
- 普通の商品より良い商品を買った気持ちになる
- 買わないで後悔したくないといった気持ちになる
- 特別感・優越感が強い
- 変えた時の喜びが大きくなる
といったことをユーザーに与えることができます。
4つの限定性を使う
限定性を使ったキャッチコピーを作る時は、以下4つの限定性から考えてみましょう。
期間限定は日や曜日、月、時間帯などで限定します。
「何日から何日まで限定!」「金曜日限定!」「16時まで限定!」「6月中限定!」といった感じです。
数量限定は、商品の在庫数や申込み者枠数などで限定します。
「残り10点!」「あと30人!」「100名限定!」など。
地域限定は、顧客居住地エリアで限定、店舗所在地・支店で限定、地域ブランドで限定したりします。
「横浜市限定販売!」「渋谷店限定販売!」「長野でしか取れない限定の野菜を使用!」などです。「当店・当社だけ」というのも限定性です。
顧客限定は、顧客の属性、既存顧客かどうか、顧客のグレードなどで限定します。
「女性限定!」「30代限定!」「公務員限定街コン!」「楽天プラチナ会員限定!」などといったように顧客の属性や、既存顧客の場合は顧客のグレードなどで限定性を打ち出します。
希少性については、その希少価値を伝えるようにします。
たとえば、
一匹のマグロからわずか200gしか取れない希少部位「マグロの脳天」
などといったように商品の希少性を伝えるようにします。
安いと思わせる
価格が高めの商品を販売したい場合などは、安いと思ってもらえるようなキャッチコピーが効果的です。
たとえば、
- これもあれもつけて、なんと今ならお買い得価格〇〇円!
- ここでしか飲めない!50年熟成物!
- プロがイチから手作りで制作!
これだけやって、さらにはこれも付いて、といったようにすることで、通常の価格よりも安く感じてもらえます。
本当にサービス内容を増やす必要はなく、サービス内容を細かく列挙して伝えることで「こんなにやってくれるなら安い」「こんなにオマケが付いてくるならお得」といったように、安いと思った印象を抱いてもらえます。
ベネフィットを想像させる
商品やサービスを購入することで、どのような利益がユーザーにあるのかを明確に伝えます。
ベネフィットは、機能的・時間的なものであれば、情緒的なものでもあり、自己表現をサポートするものだったり、社会的ステータスに関するものなどあります。
ベネフィットは事前にリサーチしておいた物を改めて見直しましょう。
機能的ベネフィットの場合の例
- 朝のメイク時間を15分も短縮する時短術!
- 最短10分でお届け!
- 人間構造を徹底的に考えたオフィスチェア!
- 初心者のあなたでも組み立て簡単ソファー!
- これであなたも、もちもちぷるぷる肌に!コラーゲンスープ
情緒的ベネフィットの場合の例
- 先進的デザインでクールでかっこいい〇〇!
- 安心!安全!24時間電話サポート!
自己表現ベネフィットの場合の例
- できる男はみんなやってる〇〇!
- これであなたもモデルのような体型になれるかも!
ベネフィット型の訴求は、この商品・サービスを購入したら、どうなるのか、BeforeとAfterを想像させるというものです。
同じ言葉を繰り返し使う
漫画ドラえもんに登場するジャイアンの有名な言葉があります。
お前のモノは俺のモノ、俺のモノは俺のモノ!
この短い文章の中に「おれのもの」というフレーズがなんと3つも出てきます。
かなりインパクトがあり、メッセージ性も強いです。
他にも、
- 漁師が釣り、漁師が捌き、漁師が加工した干物
といったフレーズも、「漁師」が3回も出てきていますが、それだけこだわりとして印象が強くなります。
このようにとにかく伝えたいフレーズは何回も繰り返して使うことでユーザーに大きな印象を与えることができます。
ネガティブな表現を使う
キャッチコピーを作る時は、時にはネガティブな表現を使うことも効果的である場合があります。
青汁で話題になった「うーん、不味い。もう一杯!」といったフレーズをご存じの方もいるかと思います。
このフレーズでは「不味い」というネガティブな表現を使っていますが、青汁としての健康効果を連想させやすいキャッチコピーとなっています。
ほかにも、
- 生粋の魚バカが集まった海鮮居酒屋
- 入念に下調べしてから始めるため開始まで3ヶ月はかかります
- 正直に言います。まだ経験不足です。でも、そのぶんどこよりも迅速かつ真摯に対応します
- 今でも後悔しています。なぜすぐに使わなかったんだろう、と
- 〇〇を使わない方がいいと思う理由
どれも「バカ」や「時間がかかる」といった表現ですが、そのおかげでとてもこだわりやプロフェッショナル感、真面目さを感じることができます。
〇〇を使わない方がいいと思う理由、などの表現は以下の記事がとても良い例です。
「茂木和哉」という社長さんの名前をそのまま商品名にした汚れ落としの商品があります。(よく使わせていただいてます)
この記事の何が上手いのかと言うと、一見タイトルだけ読むと、「茂木和哉を使わない方がいい理由」と書かれているで「何か欠点や問題があるのではないか」と思い、記事にアクセスするユーザーが多くなります。
しかし、実際記事を見てみると、あまりにも効果的で「掃除する楽しみを奪う」「洗剤を選ぶ楽しみを奪う」「洗剤を揃える楽しみを奪う」といったような表現になっています。
このようにネガティブな言葉というのは読み手に大きなインパクトを与えます。
さらには、「絶望」「恐怖」「後悔」「危険」「破産」「失敗」「事件」など、ネガティブなキーワードを使うことも大きな印象を与えられます。
これらの言葉の使い方には注意が必要なため、実際に使う時にはよく考えてから使う必要があります。
11:擬声語・オノマトペを使う
擬声語・オノマトペとは、自然界の音や声、動きなどを実際に言葉にしたものになります。
オノマトペ(仏: onomatopée)とは、現実の音や声を人間の言語でそれらしく表した言葉や、現実には音の聞こえない状況をあたかもそのような音がしているかのように表したり、音の抱かせる感覚を利用して表現した言葉の総称である。
食品などであれば、「パリッ」「サクッ」「トロトロ」「もっちり」「ふわふわ」「ズルズル」など。
スピード感を強調したいのなら、「ギューン」「サクサク」「ドンドン」「すらすら」などでしょうか。
オノマトペはたくさんあるので、パッと思いつかない場合が多いです。
以下のサイトではかなりの数のオノマトペがまとめられているので、参考にしてみましょう。
疑問系にしてみる
キャッチコピーを疑問形にしてみるという方法もとても効果的です。ユーザーはそもそも商品やサービスについて知らないことが多く、それら多くに疑問を持っています。
ユーザーが抱く疑問についてキャッチコピーにするパターンや、こちらから顧客に聞くイメージでキャッチコピーを作ります。
例:
- 〇〇しませんか?
- 〇〇はじめませんか?
- なんで〇〇だけが選ばれ続けているのでしょうか?
- なんでこんなに柔らかいでしょう?店長も疑問の豚角トロ煮込み
文章を読んでいて目につく箇所と言えば、疑問文が目につきやすいです。
疑問形の文章は、ユーザーが頭でその文章を考えて理解しようとするため、ただ説明しているだけの文章よりも、あえてユーザーに問いかける疑問文にした方が効果的である場合があります。
ストーリー形式にしてみる
人はストーリー性のある話を信用しやすい傾向にあります。
多少長くなっても構わない場合は、ストーリー性のあるキャッチコピーを使ってみましょう。
例:このスープと合う麺を探すために私は、北は北海道、南は沖縄、全国を歩き回り5年、やっと納得できる麺と出会うことができました。
ユーザーの使う言葉を使う
これは基本的なことかもしれませんが、実は意外と使っていない場合があります。
居住地、性別・年齢や趣味嗜好によってユーザーが使う言葉というのは異なります。
キャッチコピーではユーザーが使う言葉を使うことがとても効果的です。
たとえば、
- この痛車に使われてる塗料、凄すぎワロタwww
- どげんかせんといかん
- おいでやす
一部のユーザーのみしか分からないような表現でも、ターゲットがその一部のユーザーに該当する場合は積極的にターゲットが使う言葉を使うべきです。
注意点としては、ユーザーが使わない言葉は使わないようにするということです。方言を使うキャッチコピーなどは、実際にターゲットがその方言を使っていなければ意味がありません。
「どけんかせんといかん」といった言葉は東国原さんが使い、有名になったフレーズなため、多くの人が知っていますが、そのようなケースは稀です。
大抵方言は、その方言を使う人しか意味が分かりません。
全国区で販売する商品について、地域ブランドを打ち出したいからといって、方言を使うことはあまりおすすめできません。
流行りの言葉を使う
先程のユーザーが使う言葉を使うと共通していますが、流行りの言葉を使うというのも効果的です。
その時々流行りは違い、流行りが過ぎ去るのも早いため、一過性のものになりがちですが、タイミングが合えばとても効果的です。
ただし、著名人やインフルエンサーなどが流行らせた言葉を使うのは、その言葉を作った人・使っている人に依存する形となるため、使用するにはリスクを伴います。
商材によって使えるかどうかの見極めが重要になります。
造語を使う
商品・サービスのキャッチコピーについて、いっそのこと造語を作ってしまう、といった方法もおすすめです。
ユーザーに誤解を与えてしまうとまずいような分野では避けたほうがいいですが、多くの分野では簡単に作ることができるでしょう。
たとえば、
- 〇〇式マッサージ
- あなたの愛車、前後安全記録装置、ついていますか?
〇〇式、というフレーズを使うのは多いですね。
実際使う際はもっとひねったほうがいいかもしれません。
これだけで、他にはないオリジナルの施術方法ということを簡単に伝えらます。
必ずしも完全オリジナルである必要はなく、既存の手法に少し自分のエッセンスを足すことで、簡単に「〇〇式」といった言葉を作ることができます。
二つ目の「前後安全記録装置」というのはドライブレコーダーのことです。
ドライブレコーダーについて勝手に造語を作っているわけですが、ただ単に「ドライブレコーダー」というキーワードを使ってもピンとこないユーザーもいます。そういったユーザーにアプローチする時にはこのような造語を使ったフレーズが効果的な場合があります。
擬人化する
〇〇式、と同じイメージですが、商品やサービスについて人物名を使うといった手法を使います。
たとえば、「激落ちくん」「茂木和哉」など、擬人化やキャラクターを作ります。キャラクターを作ることでユーザーが親しみやすいものになります。
強い言い回しにする
単純に言い回しを強くすると、ユーザーはその言い回しに違和感を感じるようになります。
少しオーバーな表現ではありますが、たとえば、
- 私はこれで人生が180度変わりました
- これで効果がなければ諦めてください
- 真実を告白します。
「釣りタイトル」のような感じではありますが、実際には実用性が高いです。釣ってでも良いので少しオーバーな強い言い回しをキャッチコピーにしてみましょう。
もちろん、実際に提供する価値はそれらオーバーな表現を超えたものにする必要があります。
行動の矛盾を指摘する
人は行動の矛盾を指摘された時に、ハッとするものです。
商品・サービスのベネフィットで何かユーザーの行動の矛盾を指摘できるものがあれば使ってみることが効果的です。
たとえば、
- 一日の平均睡眠時間を8時間として、90歳まで生きるとすると、あなたは30年眠ることになります。あなたはその30年を過ごすベッドについてこだわらないのですか?
- たかがタイヤと思いますか?
そんなタイヤがあなたの車とあなたの命を背負っています。
ユーザーがハッと気付かされるような表現はとても効果的です。
問題提起をする・危機感をあおる
あおりや危機感を与えるものはとても効果的です。提供する商品・サービスがいかにユーザーにとって必要なのかを訴えるようなキャッチコピーを考えてみましょう。
例:
- あなたの〇〇そのままでは危険かもしれません
- 〇〇でお困りではありませんか?それ〇〇で解決します。
- 車のその異音、放っておくと危険です
- 20代で経験しておかないとマズイ20のこと
ひらがな・カタカナを上手に使う
ひらがな・カタカナを使うことで文字の印象ガラっと変えることができます。
例:
- 暖かくて、柔らかい→あたたかくて、やわらかい
- 汚れを落とす洗剤の力→汚れを落とす洗剤のチカラ
漢字を多く用いた表現だと、どうしても文書が固い印象になってしまいます。
やららかな表現にしたい場合はひらがなを使ってみると文章がやわらかなものになります。